第 18 回  「 私 の 好 き な グ レ ン ミ ラ ー 物 語 」
 楽器を質草に食いつないでいる青年が、意志を貫き全世界で愛される名曲を生み出し、名を馳せるサクセスストーリー!何度見ても、同じシーンでこみ上げ、涙してしまいます。
 そんな私の大好きな映画ですが、学生時代のビアガーデンバンドで「明日から来なくていい!」の通告と、雪で遅れ仕事を失う楽団は勝手にオーバーラップしているのも確かです。
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 主人公がフィアンセを紹介した後の「Just married !」背中張り紙、抱き上げて部屋に入ったら友達全員でおめでとうのビックリ、いいですね〜!一度やってみたい羨望の場面です。
歴史小説や映画のストーリーは、自然に都合のいいほうに展開するのは当たり前とは思っても、困難からの逆転には力をもらい、爽やかな時間として未来を・・・ればと思わせるいい時間をくれるものだと思います。
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私の音楽好きは、「帰ってきた酔っぱらい。」に遡りますが、昭和45年の「ミュージックフェア」に出演した、デュークエリントンと中尾ミエさんの「A列車で行こう!」に魅せられ、擦り切れるほどテープを回し聴き入ったものでした。
その頃からのジャズへの傾倒ですが、六本木でいつも楽しましてもらうピアノの先生が開いたコンサート、そしてこだわりのカウントベーシー、「ワンオクロックジャンプ」エンディング、静寂の中のピアノ3連譜、最近の最大の感動です。
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グレンミラー物語で起こる数々の苦難、編曲者としては採用できないと断られるばかりのバンドマン時代。
旋律とアレンジが合わず、見過ごされてゆく名曲。楽団編成を諦めかけた最後の時を救う妻のヘソクリ。
誰だって苦難はあるはずです、映画ではすぐに年が移り変わるけれど、その苦難の長さを考えると、自分の世界にこだわる頑固さが成功に結びつくんだと納得します。
強引なプロポーズをしたかと思えば音楽に没頭するミラー、突然とニューヨークまで来いという発想、ペンシルバニア65000の電話番号だけを頼りにやってくるフィアンセ、そして・・・結婚。約束したその夜に行くライブハウス、サッチモ・ジーンクルーパーとの即興演奏、ワクワクするアドリブの連続、のどを押しつぶすようにわきあがるノリを感じます。

「ムーンライトセレナーデ」が披露される日、クラリネットのリードという常識を破った編成からのニューサウンド、ゆっくり流れるスローバラード、4小節、8小節、12小節、そしてダンスフロアーの人々が足を止め、曲に聴き入る・・・・・感動をうなじの感触で予感する妻の顔のアップ、万来の拍手!・・・・・何度見てもいい、本当の感動を伝えるシーン、好きなんです。

サウンドに賭けるあくなき情熱、自分のイメージを最後まで求める頑固さ、グレンミラーが生み出す世界の数々、イメージを持ちつづけて未来を切り開く、なにか自分にもできそうな?
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「ヒット商品はなぜ生まれる?」というテレビ番組で、人とちがった発想を連発する天才が生み出す物ではなく、必死に何とかしようと努力する開発チームの考えつづけるちょっとしたアイデアから生まれると言っています。

見過ごしているニーズはどこかにあるのです。私も切り開いてみたい!

平成16年 8月 27日

     

第 17 回  「 渋 谷 の 思 い 出 」
 私事ですが、自分にとっての言い訳のきかない息子が、アメリカ留学いたします。人生が廻り歴史になるのかと、自分の思いを伝えたい気持ちが湧いてきます。
煩わしいと思った親の説教は避けようと、あれこれ自分の時代を思い廻らせているうち、そんな35年前の思い出や景色を投稿にと思ったわけです。
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 昭和45年当時の渋谷・三軒茶屋間の246は、一面の鉄板敷き道路で、銀色の東急バスが常に4〜5台数珠をなしている光景でした。そうこうして、首都高3号渋谷線工事が始まり、それに続いて新玉川線の地下鉄工事と、いつ見ても鉄板敷きの道路だったとの印象で、玉電の路面電車が撤去された後の時期に引っ越してきたようです。

 初めてのアパートは、すごく古く、水道はなく、地下水ポンプの水を2階へ汲み上げる当番がありました。
ジン砥石とぎの洗面台横に大型ポリバケツがあり、その水が生活水になるのですが、夏場のぼうふらを柄杓でたたいて水をすくったのは忘れられない記憶ですね。

 共立の営業車に、当たり前の筈のカークーラーが着いたのは、就職して結構経ってからのような気もするし、朝の連絡が付かなけりゃ夕方は常識の時代。
一番良い酒は「ジョニ黒」、ガールフレンドに電話をかけるには公衆電話を探し回らなければいけないし、夜7時を過ぎた電話ボックスは長電話、つらぬく恋心には汗と忍耐と不屈の精神が必要と思ったものでした。
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 東京に来てずっと三軒茶屋ですが、渋谷は常に経過点で、御付合いの場所も必然とそうなり、今でも通う渋谷の縁について少し・・・

 《昭和30年代のゴルフコンペの話》 「ひで」故女将より
 昔のコンペってゆうと、ゴルフした後皆店に来られて、お酒を飲まれ、好きな人は麻雀をする、お姉さんも来て盛り上がったら、お風呂にも入って行かれます。着替えは二階に置いておく・・・なんてゆうことでしたよ。
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 こんな話を聞くまでには大分時間がかかったように思いますが、百軒棚と言われる道玄坂中腹の繁華街で、ふと出会った人からのひょんな始まりなのです。
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 女性が接待してくれる店を探しエレベーターに乗りました。
和服の上品な女将が「たくさん若い子がいるわよお楽しみに。」と挨拶めいて話し掛けられました。 ・・・それでは、少し女将さんの店で・・・・・! 円山町の芸事を極め、三味線で国立劇場にも出る女将さんだったのです。
 祝儀袋は男のエチケット、お祝儀はそっと背中の襟すじに、後席の都合は早めに声を掛けて、など、けっして聞けない作法を随分教わりました。
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 百軒棚は、道玄坂の中腹、坂を上がったその奥の円山町へ導いてくれた三味線の女将、謡いが得意な小料理屋の女将、今でも通うおでんやさんの女将、育てていただいたと感謝をするばかりです。
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 いろんなお店のマスターやママ・女将さんとの長いお付き合いから、常連さんの雰囲気を味わいますが、店に入ったときの最初のふっとした間合いが、お連れした方にも伝わり、打ち解けた気分への加速になるのなら幸せな事です。

 人生、山あり谷あり、人の記憶が廻ります。お世話になった方々が勇退されるときにも接します。人として、互いの人生の常連として、なじみの店で語りあう機会を大事にしてゆきたいと思います。
平成16年 8月 5日
ジン砥石とぎの洗面台

     

第 16 回  「 純 粋 と い う こ と に つ い て 」
 先月も少し触れましたが、年次流行大賞にも出てくる「純愛(純粋)」と言うことについて思いを記してみます。
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  先週、鹿児島・指宿砂ぶろ〜知覧特攻記念館を巡るという旅行をし、南国の瞼に焼付きそうな光線・原色の花々・生気溢れる樹々たちの中の、屈託を感じ得ない、知らずにおおらかになる環境を満喫してきました。

  なまり言葉と、軽妙な機転あるガイドさんの説明で旅情は高まり、初日の砂ぶろの重量感の記憶や、長崎鼻や開聞岳の景観に驚き、続いて特攻という悲劇に直面した極限の心情を後世に伝える知覧特攻記念館を訪れたのでした。

  悲惨な記録写真、遺書の数々、ご接待された地元の方々の思い出話のビデオ、極限にゆれる人、しばらく感じていなかった感情の機微の共振から、人の純粋に対するとめどない涙と、時間が止まった耳鳴り感と浮遊感の錯覚状態をしばし感じ、不孝という文字に載せた最上級の孝行心に向き合い、純粋を伝える心に強い感動をもらいました。
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   SECの5月講演レポート、関東学院大学 春口監督の「『常勝軍団』をどう築き上げたか」の話からの純粋。

   ノーサイドの精神とか、勝つ喜びを植え付けようとする執念などがつづられ、特に心に残った一節は、勝利を重ね、評価もされ、グランド環境も整い、必然に生まれる壁についての話、「なによりラグビーについて語った、上級生・下級生に人間関係ができてくる。仲間が必要なんだと言い続けた・・・・・。」この監督の思い入れ、純粋さなんだなぁと納得します。

   大学選手権に早稲田を破って優勝したときの、前半0-0でのハーフタイムの言葉、「どうだ、楽しいだろう。スリルがあるだろう。こんな試合がしたかったんだろう。」と叫んだそうです。
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   思いっきり好きになる・突き詰めて突き詰めて考える・人の持つ本来の愛情、純粋である事は尊いと感じます。
   タイル協会から表彰を受けた職長、「これからの業界はどう変わるんでしょうか?今までの親方の考えではだめだと思う・・・・」と、純粋に将来を考え続ける次代のリーダー、逞しいです。
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【特攻おばさんの話】
面会に来た肉親に偵察飛行と翌日の出撃を偽る話、
夜中の物音で知った脚の悪い父の厠を助ける少尉の最後の孝行と、二人にしてくださいの目の訴え、
奉仕の高女生が郵便のお釣りを渡そうとして出撃に向かう軍曹にもらった遺品の小銭入れ、
隣の兵士は遺品がないからと手渡した今その場で踏んでいた石の遺品、
「蛍になって帰ってくるね。」と最後に言った言葉と、おばさんの前に現われた藤の木の幹にとまって動かない蛍の偶然。

  死を前に凛とする人間の純粋は、時を超え人の言葉を借り、褪せることなく伝わってきます。
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当時とはあまりにかけ離れた時代、思う事・惑う事・つい先延ばしにする心、純に行動してゆきたいものです。
平成16年 7月 2日

     

第 15 回  「 淡 路 島 」
 先々週魚釣りに行き、海から観る陸地の風情を久しぶりに感じ、生まれ故郷 の淡路島を想い
紹介を含め投稿テーマといたします。
  突然従弟から唐突の電話をもらいました。
「最近洋服やが大変やねん・・・」淡路島で起こった変化を知らせる電話で、テレビで面白い特集があると言います。

  「沼島の春」(ぬしまのはる)、結構はやったバラエティー系の番組です。
淡路島の南岸、太平洋に直接面する海岸から沖に漁業専門の小さな島があり、漁師の若者の嫁取りを甘酸っぱく扱い、人気から続編へと続きました。
  淡路島は周りを海に囲まれ、近畿圏の好立地から農業・漁業・観光と恵まれている土地柄です。
南部の玉葱・米・近郊野菜を、一年を通じ栽培する南淡町 に生まれましたが、のどかな田園地帯の洋服屋の背広が全部売り切れてしまったというのが冒頭の電話の内容でした。

  父が公僕として洲本という町に勤めていた関係で、母の実家の南淡町と大阪の奥座敷といわれた洲本で小学5年まで暮らしました。
役所の釣り小舟の管理 と整備の拡大解釈から、息子を従えての整備運転兼漁場確認の「親父の海」に つれられ、時にはエンジントラブルからプチ漂流にもなったり、私の中の親父の背中です。
深遠な海底への光線がSF映画のワープシーンに似て、吸込まれる錯覚に陥ったり、もぐり海中シーン映像からは、淡路の澄んだ海を思い出し ます。
淡路島の田植えは遅く、玉葱の刈り取りを春に終え、5月の末頃から始まり ます。
田植え前の畦に立つと、風に玉葱が香ります。
梅雨を前にして娘との虫刺されの話から、昔の蚊帳や蝿採紙の下がった台所、 タンクぶら下げ型のアース殺虫剤噴霧器を思い出し、そういえば蚊帳に蛍がとまっていたことも思い出します。
夏は虫刺されの痕は当たり前で、娘の虫への反応が過剰に思えて、田舎育ちを自覚します。

  釣られた魚は、道を挟んだ大橋さん家の奥様の、絶妙のアジ寿司になった り、娘のバイト先のレストランでカルパッチョに調理してもらったりで口に入りました。
柑橘系のドレッシングと甘味の効いたプチトマトと釣り上げた情景が混ざり合い、大きな味覚の記憶になりました。
  お盆で帰郷し、縁台で従弟同士青春を語りあったこと、その一面に煌めく星空、純粋に立ち戻りたい瞬間、故郷の記憶は財産です。

  いろんな人のお世話になった魚釣り、「純粋な親切とは、骨折り損のくたびれ儲けでしかない。」とは、中国春秋期の小説「奇貨居くべし」に出てきて、心に 残った一節です。

  純粋に感謝し、感謝の心を交えたかかわりを心がけてゆきたい・・・・・。
平成16年 6月 2日
(写真と本文は無関係です)
写真:弊社事務所裏の花々

     

第 14 回  「 学 生 時 代 の 記 憶 」
 
  最近のニュースで、通学高校生の通勤電車でのマナーの悪さが特集されていました。
私の学生時代にも、仲間同士での電車では、自分たちの世界で盛り上がり、おかまい無しのふるまいに、ヒンシュクを買っていたなあと思い当たります。背中を押されて出た社会に身構えたものの、自由と責任の概念がつかめないまま、規制されない環境にふらふら酔っていたような、チョッとすっぱい反省が記憶によみがえってきます。
   学生バンドの楽器運びで、お盆休暇中の東北方面の移動は混雑を極め、夜行急行「ゆうづる」での新聞敷きの直床就寝や、トイレ前に置いたベースアンプの上で揺られた経験は、大荷物をしょった大雪黒岳登山の広島の学生さんとの共感の会話と共に、電車の混雑というイメージから沸いてくる記憶です。
   また別に、そんな演奏旅行の終盤、長野からの帰路、いつものようにバンド特有のさかさま言葉などで盛り上がっていたときの事でした。後部車両の年配の人から「身内の葬儀から帰る途中のものですが、一同亡き御霊の思い出と共に帰途についております。我等の思いをお察し願い、いましばらく静寂のときをいただきたい。」とメモをもらったのでした。
   はしゃいでいる自分たちは歓迎されない!外から見れば不良学生!予想もしない周りの反応に、バンドグループは大きな衝撃に、水を打ったように黙り込んでしまったのを覚えています。
  親から叱られる事をしても怒られない!  バス停を少し動かしても見つからなければ平気!  そんな事を特権のように感じ、仲間同士の連帯感を確かめ合っていた時代、懐かしくもあり、息苦しくもあり、記憶の領域を大きく支配している時代、そんな経験が今の自分に影響を与えているんだろうかとも?
<<最近の読書から>>
  「三国志」「水滸伝」など中国歴史に興味を持つこのごろです。釣りを代表する太公望は、紀元前1100年頃の宰相であったり、春秋といわれる時代、その後の戦国時代には、群雄国家による覇権争いが何百年と続き、変化の中での国主と民心についての物語が多く、掛け違えたボタンではないですが、怨念を生じさせる覇権が後世見事に崩壊する事例など、現代の企業戦略に一石を投じる判断につながるなと感じてしまいます。
   ある小説のあとがきに、「人間の魂の動きには普遍性があると信じなければ、小説として成立しない。」と記されていました。自分がいつも感じていた、いつの世も人の心は変わらないと信じた部分が、意図的なものだった?
   そうではないにしろ、史実を組み立てる時、登場人物の人柄表現には善しも悪しきも普遍的に考えるということと理解しましたが、印象に残った一節です。
   「信・義・礼を重んじ、徳を持って政にあたることなり。」・・・・これは、いわゆる御家老が国主の迷いに讒言するパターンに出てくる一説です。
  学生時代の記憶に戻りますが、自分の学年が中心になるとき、部室にある楽器が盗難に合う事件がありまた。メンバー全員でアルバイトをし、楽器を買い揃えました。その結束や心の絆が若さに増幅され、迷いを匡す信念として記憶されています。
  「徳は、生まれつき備わっているものではない。積むものだ。足元に落ちている塵を黙ってひろえ。それでひとつ徳を積んだことになる。」と宋の華元と家臣のやり取りの一節が目に止まりました。
   すねて社会に背を向けるような冒頭の若者の行動に、「天に向かって吐いた唾は必ず自分に降りかかる」と説かれる日昇上人の講演を思い出します。

これからも社員と一緒に道路の塵を拾い続けていくことにします。
平成16年 5月 12日
(写真と本文は無関係です)


     

第 13 回  「 朝 礼 の 記 憶 」
 この投稿も一年が過ぎ、心に残る話や気づきのインパクトの薄い月もあり、それが今月です。
楽しみにしている講演会に行けなかったり、ふっと後から膨らんでくる人の言葉の感銘に気づかず過ごしてしまった訳です。

 あれこれ考えたのですが、今月は毎週社員がしゃべる朝礼での話を拝借することにしました。

 当社では、毎週月曜日9:00から週次朝礼を行い、管理職と社員が5分程度のコメント発表を行います。
当初は社長訓話ばかりだったのですが、トップダウンばかりではと感じたのか、時期は定かではなくこういう形態になったのです。
そんな話の中から、感じたものを借りてしまおうと思います。

【H13.10.9】
地方競馬の星「ドウジマファイター」29連勝、頑張ることは未来を拓く、リストラ社会を吹き飛ばせ!

【H.13.11.19】
ブロッコリーは胃壁を強くする、体調維持は工夫して!

【H.13.11.26】
青空はすべての芸術に勝る!(オノ・ヨーコ)いい言葉です。

【H.14.2.12】
温故知新、定石と言われることにも知る努力、 すべてに工夫を!


【H.14.4.1】
INAX課長の休日返上フォローに感激、顧客優先の姿勢に改めてチャレンジだ!

【H.14.7.1】
成長企業は目標がシンプル!

【H.14.8.5】
三国志列伝より、蜀 五虎将軍〈黄忠〉曰く、老いても意気軒昂、難局打開は気持ちの持ち様なり!

【H.14.9.2】
心身の健康法! 一日一回自分を誉める、一日十回腹の底から笑う、一日百回深呼吸、一日千字音読、一日一万歩歩く

 当初は、人前で話す事・自分の主張をまとめることにスキルアップありと思ったのですが、ところがどうして、ポジティブストロークを随所に感ずるコメントばかりです。
年末大掃除の後の打ち上げ会で「年間コメント大賞」を決め、盛り上がるのが行事です。

 独断と偏見でコメント大賞を決める時間は至福の時です。

  まだまだこのほかに、三国志「水魚の交わり」など、一番の若手社員が語る中国古典シリーズは日報に書き留めるにも楽しいコメントです。

 今回では書ききれないコメントは、テーマに困った月にまた掲載するとして、社員のコメントを書き忘れることなく、また書き置く反芻から心情をしっかり受け止め、価値観を近づける努力を怠らないようにしようと思います。
『倹約と吝嗇は水仙と玉葱』(貝原益軒)
身に奉ずること薄きを倹約とし、人に奉ずること薄きを吝嗇 (リンショク=いわゆるケチ)とす。
※SMBCコンサルティング会報一口メモより


  こんな言葉から、豊かな感性の個人の集合体として、
社会への貢献ある企業に近づきたいと念じている次第です。
平成16年 4月 2日
(写真と本文は無関係です)
写真:弊社事務所裏の花々

     


第 12 回  「 品 質 シ ス テ ム の 発 想 」
 今月は、建専協(建設産業専門団体連合会)の「建設専門業の経営革新支援研修」での感想から、専門工事業界の抱える潜在リスクや、生業としているタイル工事業のリスクと未来につき、意見を掲載いたします。
 国土交通省は、「専門工事業イノベーション戦略」と称し、現在の建設産業、とりわけ専門工事(下請け)の在り方を変革せよと警鐘を鳴らします。「過去の慣習の継続にすがるな!価値を見出せ!」の示唆と受け止めなければならないと感じます。

実際、タイル工事を営んでいて、首都高速のトンネル群に張られた黄色いタイルが剥がされ、放置される様は、ターミネーターの闊歩する映画とオーバーラップし、未来に粟の噴く思いを感じます。
タイル屋から見れば、あれはどういう理由で・・・・と、言い訳の蓑に隠れてしまいたい気持ちになります。
しかし、タイルは剥がれるんだということを示している現実に他ならないと受け止め、自らを追い込もうと決意します。
【賃金体系が起因のリスク】
●出来高支払い制度がもたらす、作業手順の省略行為。
●職長の管理作業フィーの料率設定と制度の業界不統一による管理格差。

【元下関係に顕在する希薄な責任意識】
● 見積条件書の確立や、契約内容履行の現場別格差の均一化。
●追加工事契約等に働く元下力学。

 長く克服しかねている繰返し型トラブルの未解決因子をあげてみました。
常にどこかで行き当たる未解決因子に対し、根底から克服することを目指し、「品質システム」と名付け、当社全員の思想からのイノベーションを促し、情報発信し、真の価値への挑戦といたします。

【品質システムの概要】
1. 「品質システム」を成文化し、職方の意識統一から雇入れ契約時での教育を実施する。
2. 全現場乗込み時の「品質システム」の教育と確認記録の保存。
3. 職長フィーと単一単価概念の浸透。
4. 職長による作業標準履行管理(写真による程度明示の作業標準書を活用)。
5. 職方施工部位の図面記載と保管。
6. 打合せ記録の文書管理。(契約外派生工事の写真記録)
7. 品質確認検査(引張試験・打震検査)の独立部署の設置。
8. 職長を交えての顧客ニーズの勉強等、品質検討会の定期開催。

上記アイテムを必ず実施するシステムとしてFIXし、当社のタイル施工から剥離事故を筆頭のクレームを一掃したいのです。
約半年の準備期間から、10月よりの実施を目指します。

建専協の「建設専門業の経営革新支援研修」では、専門工事業者の強みとして、
 直営の管理技術の蓄積   労務の調達能力  が挙げられました。

インターネットなど情報収集が飛躍的に容易になった今、自らの強みを発信することが新しい戦略と成り得るのではないかと思います。
価値観を共有する同業各社との意見交換・切磋琢磨を通じ、品質へのこだわりを更に進めたいと考えます。

焼き物のぬくもりを近代建築に生かす!タイルの価値を生かします。

平成16年 3月 5日
(写真と本文は無関係です)